最近「浮き指」という言葉をよく聞くようになってきました。
「浮き指」とは上のフットプリントにもあるように、地面に足の指がついていない症状のこ
とです。
足趾での踏ん張りが効かないので、身体が不安定になるのは簡単に分かると思います。
現代人に多くなってきた「浮き指」ですが、原因は何なのでしょうか?
それは単純に足趾を使わなくなったからです。
歩かなくなる、歩くときも高機能な歩きやすい靴を履くことにより、人間の機能が衰えてし
まったのです。
現代の靴の多くは、踵側の方が高く作られています。
そのことにより、足が自然に前に出やすい設計となっています。
また、さらにクッションが入り足が痛くなりにくくなっています。
それ自体は素晴らしいことですが、その影響で足趾で地面を蹴らなくても、足のアーチ機能
を使わなくても身体は前へと進んでしまうのです。
踵が高い靴を履いていると、バランスを取るために人間は踵側に体重を多くかけるようにな
ります。
足の踵側に体重をかけると、足趾は使いにくい状態になりますよね。
足趾を使わなくなると、それに付随する内側アーチや横アーチも退化してきます。
内側アーチや横アーチが機能しにくくなると、本来どこかが痛くなったりしますが靴自体
のクッション性が高いので痛みも出にくくなっています。
このような状態では、人間本来のしなやかな動きや、バランス感覚も失われていってしま
います。
足裏が本来の働きができなくなると、それを代償するために足首・膝・股関節などに負担
がかかるようになってきます。
「浮き指」に対するインソールでは、機能の低下しやすい土踏まずと横アーチをしっかり
支えてあげることで、足趾をしっかり使えるような状態にしてあげることが重要です。
特に横のアーチをしっかり支えてあげると、足趾を使いやすい状態になります。
この横アーチの位置は、個人差が大きいです。
足長が同じでも、足趾の長さなどにより横アーチの位置は変わります。
また左右で足長が違う人は多くいますが、足長が違うと横アーチの位置も左右で変わって
きます。
ですので、横アーチというのは既製品の多くのものにはついていません。
オーダーのインソールでは、もちろん横アーチの位置や左右差もバッチリ合わすことがで
きます。
足趾が働けるようになると、しっかりと踏ん張りが効くようになり、身体全体が楽になる
のがわかると思います。
何せ、身体の体重を小さな足で支えているのに、その前側を使っていなかったのですから。
こんなもったいないことはありません。
今回は「浮き指」について書きましたが、足趾を使うことは人間の機能を発揮するのに
大変重要です。
その辺りは、もう一度しっかりと書きたいと思っています。
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